7月16日(水)、気温5度~20度、晴れ
【カサッテイ小屋~ゼブル峠~ヴァレ・ゼブル】
今朝は朝焼けを期待しましたがカサッテイ小屋周辺の3200mは雲海の中、残念ながら朝焼けと日の出を拝むことはできませんでした(平出さん上空からのドローンで撮影した写真では美しいオルトレスが)。
しかし、朝食後には雲も完全になくなり360度の絶景が視界に現れ感激。
朝一番で広大でチェヴェダーレ氷河を南側(南チロル側)へ氷河トレッキング。
大雪原を約30分も歩けば、アルト・アディジェ州側からのグラン・ゼブル、ゼブル、オルトレスの調和をしっかりと確認できました。
北側にはヴァレシュナーレス、エッツターラアルペンも遠望でき、明日からの南チロルへの山旅に想いを馳せて。
ふとカサッテイ小屋に目をやるとその奥には4000m級のベルニナ山群がくっきりと姿を見せてくれていました。
チェヴェダーレ氷河散策後は、カサッテイ小屋のステファノ一家と別れを惜しんでから、背負わない荷物をリフトに乗せて下山準備完了。
その下はかなりの崖なので慎重に。
急峻な下りをペッツイーニ小屋まで標高約560mを降ります。
途中からの雪渓ではまたアイゼンを装着してかなりの斜度を降りて行きます。
再び壮大なチェデック渓谷とフォルニ渓谷の風景を始終眺めながら降ります。
氷河を纏ったペイヨ、カデイナ、サンマッテーロ、トレゼーロ、そしてチェヴェダーレの南斜面に流れ落ちる大迫力の氷河に圧倒されます。
ペッツイーニ小屋でのランチは昨日にリクエストしていた野菜スープで簡単に済ませて時間短縮。オーナーがスープのおかわりを促してくれたのもうれしいです!
新しい部屋(シャワー付き)ができるので次回は是非泊まってほしいと言われました。
そういえば、南チロルの山岳スキーガイド達が、バックカントリースキーの時にカサッテイに泊まる派ペッツイーニに泊まる派に分かれるのをちょっと思い出しました。ペッツイーニ派はやはり食事がとても素晴らしいという理由でした。
ランチ後は、今日のもう一つのハイライトでもあるゼブル峠&ヴァレ・ゼブルの渓谷歩きに挑戦してきました。
標高約3000mの峠までペッツイーニ小屋から約300mの絶景の登りをゆっくりと楽しみます。
南側、東側にから眺めるグラン・ゼブル、オルトレスの違う表情を楽しめるのは最大の魅力です。
また、オルトレス、チェヴェダーレそしてステルヴィオの国立公園の東側の大半の山々を一同に眺めることができるドラマチックな峠こそゼブル峠なのです。
しばしのゼブル峠からの絶景を楽しんで後は、誰も歩いていない急峻なV字のゼブル渓谷に入り込んで行きます。
冬の残雪が多く、幾度となく雪渓と沢に阻まれながら標高2500m付近まで慎重に下って行きます。
メドウエリアに出ると高山植物が咲き乱れメンバーの足も写真撮影に力が入ります。
この周辺ではエーデルワイスもサンタ・カタリーナのサニーヴァレーとこのゼブルヴァレーには咲いています。
お客様が私より先にひっそりと咲いているエーデルワイスを発見。その上部に目を凝らすと群生しているのがわかります。
途中のクイーント・アルピーニ山小屋との分岐地点では、アルパインアイベックスが悠々と岩苔を舐める固体に遭遇。
一匹で最初私たちを警戒していたようですが、マーモットの警戒の鳴き声にも反応して一旦は遠ざかったのですが、また近寄ってきてとても私たちに興味があるようです。野生動物それも希少なアルパインアイベックスとの遭遇はラッキーでした!
まだまだ急峻なV字谷のトレッキングは続きます。森林限界より低いエリアは、緑眩い堆積地層が花々、草木を育みやがて人里へと景観を変化させながら。
残雪からの雪解けが沢をつくり、落差によって多方向からの滝となり、麓に至る頃にはそれがアッダ川の支流となってボルミオ周辺を流れます。
このゼウル渓谷は、麓からのアプローチも長い為か、上部からは3000m級のゼブル峠を自分の脚で登ってこそ入り込める秘境なのです。
標高差も約850mの下りで、標高2168mバイータ・パストイの家畜小屋で終了。
明日はステルヴィオ峠からのロングトレイルを歩きます。
エスコート 水澤 史
ゼブル峠からのフォルニ渓谷
朝一のカサッテイ小屋
オルトレス(平出さんドローン撮影)
朝一のカサッテイ周辺(平出さんドローン撮影)
カサッテイ小屋の支配人親子
チェベダーレ氷河を歩く
グランゼブルとオルトレス南斜面
グランゼブルとオルトレス
小屋奥にベルニナ山群が見える
ゼブル峠からの景観
アルパインアイベックスとの遭遇
アルパインアイベックスとの遭遇