【サンモリッツ~ティラーノ】専属ガイドDay7:普段は行けないナチュラルワインと情熱あふれる造り手さんに会いに行く

さぁ、いよいよ今回の専属ガイド・アテンドプライベートツアーも最終日となりました。

有終の美を飾るべく本日のメインテーマは…

☆普通は絶対行けないナチュラルワインのワイナリー訪問☆

でございます。

ここは、私が当地域Valtellina(ヴァルテッリーナ)で最もお気に入りのワイナリーさん。

お気に入りかつ、地域では唯一、全てをナチュラルワインで製造しているところです。

全て、、、というのは・・・当地域でもナチュラルワインやってるとこはあります。

が、普通のワインの片手間に、所有する畑の一部をBIO(ビオ~有機栽培)認証でやってます、程度。(それはそれで充分尊敬するが)

一方こちらのワイナリーでは、所有する畑全てがBIO認証。

Biodiversita’(英語:Bio diversity 日本語:バイオ・ダイバーシティ、生物多様性)

といって、『化学成分に頼らず、植物や虫、動物など自然界の、それぞれ様々な役割を有効活用して自然の力で土壌を健康に保ち食物を生産する』というコンセプトでワインを造っています。

↑ブドウ苗も様々な種類が植えられています。効率重視で改良された大きな房ばかりでなく、なるべく原種に近い苗もあるので、そうするとこのように房と実が小さくなる。…話で聞くより、ずっと手間のかかるやり方だと思います。情熱あってこそ!

*******

その結果、ここで作られたワインは、生きた酵母の感触が舌で感じられ、優しくも奥深い味がしてとっても美味しいのです。

以前、地域のワイン飲み比べのイベントがあった際、別格の個性と美味しさで開眼させられて以来、私はすっかりここのファンになりました。

その後、生物多様性の畑ってどんなだろう、、、と興味を持って一度ワイナリー訪問をし、オーナーのマルセルさんのお人柄と情熱を知って、ますますファンになりました。

↑マルセルさんの天然スパークリング。一般のスパークリングは結構お砂糖を加えてますが、彼のは無糖。天然酵母のシュワシュワが感じられる。

*******

 

↑ボトルからだけでなく、タンクから直での試飲も!

↑こちらは、アンフォラ(古代のワイン醸造に使われていた、テラコッタの容器)

*******

彼自身も本当に畑とワイン造りに情熱を持っており、話しだすと毎回止まりません。 通訳の私が時々話をさえぎって待ってもらわないと。。。

試飲の際も、「これも飲んでみて」「あれと飲み比べると面白いよ」と、次々違うワインを勧めてくるので、油断して全てを全部飲むと大変な事になります。

ビオワインなだけにとっても飲みやすくて美味しいんですよね。でもしっかりアルコールるは入っているので、心を鬼にして多少はバケツにぺっぺしないと、初めてここを訪れた時の私のように・・・あ、これ以上はやめておきましょう。

そんなわけで、彼のワイナリーに行くと絶対に時間も飲む量もオーバーするのですが、それがまた楽しいひと時。

・・・てことで、彼の弾丸トーク通訳に徹していたのであまり写真を撮っていませんが、現場の雰囲気が伝われば幸いです。

↑さんざん盛り上がって最後に撮った集合写真♪

*******

マルセルさんとこでじっくりとビオワインの現場を感じた後は、遅めのランチへ。

会場は、山の中腹にあり地域の絶景を一望できるパノラマレストラン。

↑本場そば粉パスタ・ピッツォケリ

↑広々テラス席

↑秋らしいデコレーションがしてありました。

*******

帰り道。たまたまベルニナ線が道路を横切るタイミングに遭遇!すかさず下車して写真を撮る。

お天気のみならず、あらゆるタイミングがバッチリでツイてるお客様でした♪

そして最終日の宴は、ティラーノ駅近くの、最近改装されたオサレなレストランにて。

↑なんかキャンディみたいにこじゃれた造りのラビオリ

↑Spiedino(スピエディーノ)~イタリア版串刺しお肉

こちらのワインもお勧めです。

翌日は、ベルニナ線経由でチューリヒから飛び立つお客様をお見送り。

ティラーノ連泊&ガイドご用命特典、非売品のベルニナ線ショッピングバッグと共に♪

今回は当地域にご滞在いただき、ありがとうございました♡

↑我が家のブーボも笑顔でお見送り♪ そして乗客の方々が車内からニコニコしながら、撮影に興じる我々を見守っていました。。。なぜだろう、珍しいのか?

↑いってらっしゃい・・・やや哀愁漂わせ見送る背中。

*******

 

カテゴリー: イタリア, サンモリッツ, スイス | コメントをどうぞ

【サンモリッツ~ティラーノ】専属ガイドDay6:現地で五感で味わうイタリアワイン~修道院ワイナリーでネッビオーロ三昧

さて、いよいよ今日から舞台をイタリアに移し、地元ティラーノでの体験型観光です♪

本日の目玉は、やはりイタリアと言えば…ワイン~~~☆

もとはと言えば今回の企画は、お客様の

「スイスの山歩きとイタリアのワイナリー両方を楽しみたい!」というご希望から始まったもの。

なので、ピーカンでのハイキングをしっかり満喫された後のこちらツアー後半も、とても楽しみにして下さっていました。

…そしてこちらイタリアでも、いいお天気~。

レンタカーを借りて車で約15分。

アルプスの山のすそ野、緩やかな南斜面に広がるブドウ畑の真ん中に、そのワイナリーはあります。

かつて修道院だった建物を、そのままワイナリーとして使用しているので、雰囲気も素敵。

 

ガイドさん付きで、ブドウ畑の案内→カンティーナ見学→ワイン試飲、とたっぷり楽しめます。

しかも、この日の訪問者はたまたま我々だけとなったのでプライベートガイドに♪贅沢。

・・・私は通訳係に集中していたのでその間の写真が断片的ですがご勘弁を。

さすがにもう収穫時期過ぎたのでブドウなかろう・・・と思いきや、一部まだありました!

それには理由があり、これから試飲するとあるワインの為に、ギリギリまで収穫せずとってあるそう。

まるでミュージアムみたいなカンティーナ内部。

飾ってある絵画にも秘密があります。それは後ほど・・・

カンティーナの一部分は 、本当にプチミュージアムになっていました。

古の農民たちが使っていた農耕器具が展示してあります。

この藤で編んだリュックは、かつてブドウ収穫時使われていたもの。これにポイポイとブドウを入れて、急こう配の畑を移動し運搬していました。

イベント時などに今でも使われてる応接間。本物の雅な雰囲気が漂いますね。

イタリアはこんな田舎でも、こういった歴史的建造物がゴロゴロあり、しかも現役で使われているのが魅力。

外から見るより内部はずっと奥まで広くて軽く迷路みたいで楽しいカンティーナ。

さて、ここのワイナリーでの一番、かつ唯一の特徴がこちら。

サンモリッツがあるスイス・エンガディン地方の美しい自然を優しいタッチで描いて有名になった画家・ジョバンニ・セガンティーニの「オフィシャルワイン」を製造しているのが、ここのワイナリーなんです。

「オフィシャル」の理由は何かというと、なんとセガンティーニのひ孫?やしゃごさん?(イタリア語ではここら辺の表現曖昧なので現時点で厳密には不明)とにかく直系の子孫の方直々に「おじいさんのワインを造りたい」と相談があった事から始まったそう。

そんな事から、カンティーナ内にもセガンティーニの絵画が飾ってあるのですね~。

後の試飲タイムでセガンティーニ・ワインも出てくるのでお楽しみに♪

・・・という事で、お待ちかねの試飲タイムです☆

悪天候でない限り、こうして屋外テラスにて目の前に広がるブドウ畑を眺めながらのんびりと試飲できるのがこのワイナリーのもう一点良いところ。

豪華なおつまみと共に♪

地元の新鮮な生ハム盛り合わせ!ワインに合いすぎますよねぇ。

他に、同じく地元名産カゼーラ・チーズとライ麦パンもついてきます。

これだけのボリュームのおつまみ、余っちゃうんじゃないかしら…とお思いのあなた、ご心配なく。

ここでは試飲できるワインが5種類もあって、さらに一杯いっぱいが写真でもお分かりの通り、普通レストランでサーブしてくれる量、100㏄くらいあるんです。

なのでそれぞれを全て飲むと、500㏄も飲める笑

・・・試飲の量じゃないですよね。

でも、実はこのワイナリーのみならず、当地方のどのワイナリー行ってもこのくらい飲ませてくれるので、めちゃくちゃコスパ良し。

運転手の私はおつまみのみいただき、ワインは香りを楽しみました。

こちら二杯目。

試飲では、軽いものから始めるのが鉄則。

一杯目は、近年当地方で流行っている「ネッビオーロの白」。

こちら二杯目はいわば自然のロゼ。もちろんネッビオーロです。

「Foglia al Vento~風に揺れる葉っぱ~」

というボトル名が詩的で素敵。

さぁ、三本目から赤です。

当地のDOCGワイン、Valtellina Superiore(ヴァルテッリーナ・スペリオーレ)。

ガイド兼ウェイトレス、ワイン説明と全部やって下さる本日のガイドさん。

出身はトスカーナだそう。イタリア一有名なワインどころからなぜ北イタリアアルプスに・・・?

それは現地でご本人に直接聞いてみましょうね~。

笑顔が素敵な方でした♪

さて、四本目はいよいよセガンティーニ・ワイン!

ワインの種類としては三本目同様、Valtellina Superiore DOCGなのですが、

特別なワインなので少し特別にこだわっております。

しっかり糖度が増してよりフルボディな味わいになるよう、ギリギリまで収穫せずおいておいたブドウを用いるとの事。冒頭の写真で出てきたあのブドウ達がこれになるわけですね。

なんでこのブドウ達だけ残ってるんだろう・・・という疑問への答え合わせを五感で感じる。

現地でのワイナリー訪問ならではの楽しさです。

 

↑5杯目…というか正しくは4.5杯目。

ガイドさんと話が盛り上がっているうちに、試飲したセガンティーニ・ワインと同じ製造年だけど、収穫したブドウの時期が違うと、また寝かせる樽の大きさが違うとどう味が変わるか比べてみて~、とおまけで持ってきてくれたワイン。同じ2020年でも、お客様いわく全然違う!私も香りだけでしたがかいでみて、樽臭の強さなど確かに違いを感じました。

・・・と、予想外に一杯多く飲ませていただいていよいよ大トリ。

当地域の名物ワイン、干しブドウワインのSforzato(スフォルツァート)です。

ざっくり言うと、アマローネのアルプス版。

収穫後すぐに仕込むのではなく、冬の間寒風にさらして乾かして半ば干しブドウになったところでようやく醸造。

そうする事で、とても香りと色、味共に濃ゆいワインになる、というもの。

テーブルからはこんな風景が広がります。

こうして、正規の時間だと90分で終わるはずのワイナリー訪問が、軽く2時間は超えたのであった…(イタリアあるある)。こういったのんびりタイムを楽しむのも、イタリア旅の魅力のひとつですね。

しっかり試飲してしっかりのんびりして、ご満悦いただいた後の記念のショット。ブドウ段々畑の優しいカーブとアルプスの山を背景に。

帰りは、ティラーノ西側にそびえる白い教会、

この地に聖マリア様が降臨した、という言い伝えから建てられた聖マリア大聖堂も見学し・・・

 

本日のイタリアン・グルメな夜のメニューは…

地元の郷土料理、そば粉を使ったチーズ揚げ「シャット」と

鉄板ステーキ☆ 牧畜の地、イタリアアルプスの肉はなぜこうも美味いのだ・・・

・・・楽しく美味しい一日が終わりました。お疲れ様でした☆

***おまけ:今日のニャン*****

ティラーノ旧市街散策中寄ってきた三毛。

左目が見えない子。でした。もともと眼球がない様子で左頬はシュっとしてた。

でも元気で軽くコロコロ懐いてくれた。

毛色と秋の風景が合ってますね。